ウィズコロナ時代の住む街選び
2020年06月12日
今年、住宅購入を具体的に検討していた方は「今買っていいのだろうか」と不安に感じている方も少なくないと思います。加えて、「いつ買うか」と同じくらい「どこに住むか」の関心も高まっているのではないでしょうか。テレワークが進めばわざわざ都心に住まなくてもよいのではという声がSNSやメディアでもみられます。ウィズコロナの時代に住む街はどう選んだらよいのでしょうか。
そこで、今回のテーマは「ウィズコロナ時代の住む街選び」。「特に希望エリアは無いんだけど、どこでも良いってわけでもない」という方に住む街を選ぶ一つの基準として居住誘導区域といった内容をご案内します。住む街選びで迷っている方は是非ご一読ください。
安全性・利便性・資産性が担保されるエリアがある
冒頭から「居住誘導区域」という漢字ばかり並ぶ言葉が出てきてしまいましたが、ひらたくいえば居住誘導区域とは「この辺りにみんな住んでね」と各地方自治体が推奨するエリアです。この区域内に住むメリットを一言でいえば、「安全で、便利で、資産性が維持されやすい街」といえます。
多くの方が、居住誘導区域を意識せずになんとなく住む街を決めている傾向にあります。これは短期的に見れば大きな問題ではありませんが、ある程度長期間住むことが想定される「住宅購入」という面でみれば、デメリットになる可能性があります。なぜかというと居住誘導区域外では、中長期的に人口が減少し、利便性が損なわれ、結果的に資産性も維持しにくくなるからです。
居住誘導区域がつくられた背景
居住誘導区域が制定された背景には、人口減少と高齢化があります。人口が減り、高齢者が増えた未来を想像してみると、様々な問題が想定されます。例えば、電気や水道などのインフラサービスの値上げ。身寄りがなく、免許証を返納した高齢者の通院。地震や大雨などの自然災害と避難所でのウイルス感染の複合的な災害。空き家の増加による不動産価値の下落。
これらの問題を解決する戦略として、「住む街を限定する」というシンプルな解が導かれました。それが、立地適正化計画であり、その根幹の概念である「居住誘導区域」です。局地的にでも人口が維持できれば、利便性が担保され、地方自治体のサスティナブルな運営が可能になります。
田舎暮らしは危険!?
リーマンショック時もそうでしたが、こうした大きな危機、変化が起きると「都心から郊外へ」の流れが少なからずおき、田舎暮らしがとても良いものとしてメディアに取り上げられたりします。田舎暮らし自体は否定することではないですが、人口減少時代の住む街選びという視点で見れば、「居住誘導区域内」を選ぶことがオススメです。
居住誘導区域は原則、災害危険エリアが外されています。ウイルスとの戦いのさなか、震度3以上の地震が頻繁に起きている現在、避難所に行くことがそもそもリスクと考えられます。ですので、避難所に行かなくても良いためにはどうするかという視点が必要です。その点でみても災害危険エリアが外されている居住誘導区域内を選ぶことは賢明な選択と言えます。
住んでいる街の居住誘導区域を確認する
立地適正化計画をもとに、各市町村で都市計画が作られています。「立地適正化計画 〇〇市」などで検索すれば、出てきます。これから住宅購入を検討される方は是非一読頂き、このエリア内での物件探しを検討してみてはいかがでしょうか。
■参考