和モダンと暮らす-お茶-
2022年06月10日
和モダンと暮らす-お茶-
先週に引き続き「和モダン」についてお送り致します!
今週のテーマは「お茶」です。
お茶をつかった表現のひとつに「茶気がある」「茶気がない」という言い方があるのをご存知でしょうか。心の機微に鈍感な人には「茶気のない人」であるといったり、周りの空気を読めずに大騒ぎする無作法な人には「茶気がありすぎる人」であるといったりします。
言葉だけでなく、私たちの暮らしに大きく影響しているお茶。
そんなお茶の魅力を紐解きます。
「お茶の時間」を楽しむインテリア
美的人生を実践するための哲学として、茶道は生まれました。単なる飲み物であるお茶に、精神性や哲学を見出すことができるのは、日本人ならではの感性です。
茶道には、自然なかたちで美意識を実践するためのヒントが詰まっています。住まいや衣服、絵画や文学に至るまで、茶道の影響を受けていないものはないといえるほど、影響力の高い文化です。
茶道の哲学を実践する人を“茶人”とよびます。茶人は、謙虚さや簡素さ、会話の仕方や着る服に至るまで、日常の自分自身のあり方に細やかな配慮をします。
お茶を淹れるという行為のなかに、美しくあるためにはどうあるべきかを考え抜き、実践しています。
茶人は、自らのふるまいを磨き上げ続けることによって、自らを「芸術」に昇華しようとしました。
そんな美意識をもってお茶を淹れてみると、また違う発見があるかもしれません。
茶葉を茶筒から出し、木の茶さじで急須へ。ゆっくり丁寧に淹れる時間はそれだけで気持ちを落ち着かせてくれます。
好きな音楽を聴いたり、好きな作家の小説を読んでリラックスしたりするひとときにも、お茶は欠かせません。
そんなひとときを過ごすためには、どんな空間が望ましいのでしょうか。
茶人の知恵を借りるのであれば、やはり「簡素さ」がキーワードになります。
ノイズを排除したシンプルな空間。ミニマルでグッドデザインな急須や器、茶筒や茶さじはそのままおしゃれなインテリアになります。
あなた自身がホッと一息つける場所。そんな空間が「お茶の時間」には必要不可欠なのです。
今注目のインテリアトレンド”japandi(ジャパンディ)”はご存知でしょうか。
和なテイストと北欧テイストを合わせたようなもので「お茶の時間」を過ごすにはもってこいの和モダンな空間です。
ミニマルだけど温かみのある空間は、お茶の道具とも相性が抜群。
インスタグラムで#japandiと検索すると20万以上の投稿がヒットしますので、是非一度覗いてみてください。
家に合わせて住むのではなく、暮らしに合わせて住まいをつくる。
「お茶を楽しむ時間」をイメージして、それに必要なモノを揃える。とびきりお気に入りの器があるなら、それに合うテーブル、そのテーブルに合う床や壁、天井はどんな感じだろう……
このように、好きなこと、好きな時間から発想する。
そうすればきっと、あなたらしい住まいになることでしょう!