手段としての住宅購入
2020年07月03日
現状と理想のギャップを埋める手段として
新型コロナウイルスは、私たちの働き方や価値観に大きな変化を与えました。家にいる時間も増え、住み替えや引っ越しを考えているという声もよくききます。SNS上では、「テレワークが普及すれば、わざわざ家賃の高い都心に住まなくても、自然豊かな場所でゆとりある暮らしをすることも可能」という投稿がよくみられました。
家にいる時間が長ければ、家について考え、住み替えを考え始める方も多いかと思います。そんな方に向けて、今回は住宅購入を考え始めたら持つべき考え方をテーマにお送りします。結論からいえば、住宅購入を「現状と理想のギャップを埋める手段」と捉える考え方です。
多様な価値観と住まい
最初から物件情報を見てしまうと、広さ、駅徒歩、価格などの数字にばかり目がいく傾向にあります。それはそれで否定はしないのですが、目ばかりが肥えてしまい、予算との乖離が大きくなる傾向に。現状を把握して、理想を自分なりに描いてみて、それらのギャップが明確になれば、どんな手段でどうギャップを埋めていくかの作戦が立てやすくなります。
大量生産・大量消費の時代では、画一化された住まいを手に入れることで、満足いく暮らしを手に入れられました。しかし、価値観が多様化する現代ではこうはいきません。それぞれの価値観に合わせた暮らしがあり、住まいもそれに合わせるべきです。家を持つだけで幸せな時代から、多様な幸せを実現する手段として住まいを捉える時代に変わりつつあります。
ミレ二アル世代の価値感は「影響力」重視
今や住宅購入の主役は世界に19億人いるミレニアル世代(1981~1997年生まれ)。AT・カーニー社の調査によると、彼らの特徴として、「物質」主義から「影響力」重視へと価値観のシフトチェンジがみられるといいます。
所有物が自分を表現するのではなく、行動が自分を表現するという価値観です。クールさ(個性、およびアイデンティティに対する独自の感覚)を表現するツールとして住まいをとらえるということを意味します。もしあなたがミレニアル世代ならば、共感できる方も多いのではないでしょうか。
見開きノートに理想と現状を書き出す
つまり住宅購入とは、自分なりのクールさを定義して、その実現を助ける手段です。今の住まいは何がクールではないのかを明確にし、そのうえで、そのギャップをどう埋めていくかという考え方を持つことで、より楽しく満足のいく住宅購入になるでしょう。
なんとなく物件を探し始める前に、まずは理想の暮らしと現状の暮らし、そしてそのギャップを書き出してみることをオススメします。見開きノートの左ページに現状、右ページに理想を書いてみると、視覚的にギャップが見えやすくなります。その上で物件情報を見てみてください。また違った見え方をするかもしれません。