リノベーションに適した構造とは
2021年09月17日
リノベリノベーションに適した構造とは
リノベーション=間取りは自由というイメージがありますが、実は構造によっては全く間取り変更できない場合も。できると思っていたのにできなかった。物件を買ってから後悔をしてしまう方も実際にみてきました。そこで、今回はそんな失敗をふせぐためにマンションの構造について解説していきます。リノベーションをご希望の方必見です。
間取りの自由度が高い「ラーメン構造」
構造には2種類あります。壁式構造とラーメン構造です。
図1は壁式構造です。ピンク色の部分は壊せない壁です。この物件では、対面キッチンにしたり、広いワンルーム空間にしたりなどの大きな間取り変更はできません。壁自体が分厚い構造壁になっていて、コンクリートでできています。壁式構造は法令等により一般的には5階以下の建物に制限されています。低層の団地などによくみられる構造です。
図2はラーメン構造です。ドイツ語で額縁や枠を意味する「Rahmen」が語源です。柱と梁の枠で建物を支え、室内に動かせない耐力壁が出ないため自由な空間をつくりやすいのが特徴。ピンク色の部分以外は自由に壁をつくれるため、極端な例だとワンルームにもできます。結論、リノベーションにはラーメン構造の方が向いているといえます。
ラーメン構造のデメリットは、室内に柱や梁が張り出すこと。張り出している部分にデッドスペースができることで使い勝手が悪く、見た目にも美しいとはいえません。図2でみると、四隅の四角くなっている黒い部分が柱です。これをフレームで繋ぐように梁が通っています。梁は間取図を見ただけでは想像しにくいので、現地確認することをオススメします。
一方で、壁式構造は梁と柱ではなく壁自体が建物を支えるため、室内に梁や柱が張り出すことはありません。よってスッキリとした空間をつくりやすいのが特徴です。また、分厚い構造壁をコンクリートそのままの状態にすることで、新築にはない荒々しい表情が作れるのも魅力。建築士の中には壁式構造の方が好きという人も少なくありません。
広告だけでは構造の判断はむずかしい
どちらの構造なのかは、広告の図面をみればある程度把握できますが、やはり現地にいかないとわからないことが多いです。現地にいってもわからない場合もあり、その場合は竣工図面を閲覧して確認します。建築士でもそこまでしないと分からないこともあるので、リノベーション前提の物件探しであれば、事前に建築士等に相談することがオススメです。