リノベオブザイヤー’21ノミネート作品④
2022年02月25日
リノベーションオブザイヤー2021ノミネート作品④
「家の中で湖水浴 居るだけで心地よい住まい」
2月4日掲載のブログから全4回にわたって、リノベーションオブザイヤー2021ノミネート作品から注目の事例をピックアップしてご紹介しております!
最終回は「家の中で湖水浴 いるだけで心地よい住まい」
自分らしさを見つけ、自分らしさを形にするヒントが詰まった事例です。
お洒落な家は数あれど、表面だけを真似したところで満足いく家づくりには繋がりません。本当に満足する家づくりに必要な考え方から学べる事例です。
デザインを考える前に
写真:リノベーション協議会
デザインを考える前に、まずは「自分が感じる心地よさを言葉にしてみること」です。
上記事例のお施主様は、数年前まで住んでいたカナダの主要都市トロントでの暮らしにヒントがありました。自然と都市が調和したトロントの街がお気に入りだったお施主様は、今回の家づくりの軸を「自然を感じ、家族がゆったりとくつろげる家」としました。
軸が決まったら、次は間取りにそれを落とし込んでいきます。
今回は3LDKを思い切って1LDKに変更。小上がり、洗面や脱衣所もひと続きに計画。デザイナーが提案したのは、「家中どこにいても窓からの気持ちよさを感じられる住まい」でした。壁を最小限にしたことで、どこにいても空や緑が眺望できる、都心に住みながらも自然を感じる空間になりました。
色使い、素材選びも空間の大事な要素です。
床の素材はメープル、壁と天井の色はブルーグレーにするなど、水辺の自然をイメージできるような素材や色をセレクト。壁には、トロントで購入した海の絵と舟のパドルを設置。窓から差し込む光がブルーグレーの空間全体をやわらかく包みこみ、湖水浴をしているかのような印象を受けます。
「神は細部に宿る」という言葉があるように、最終的に空間の良し悪しを決めるのは、細部へのこだわりと言えるでしょう。
キッチンの背面収納には真鍮の取っ手やパントリーのアール壁、全体を彩るブルーグレーの中に一部ダークグレーを入れることで、変化をつけることなど随所にオリジナリティ溢れるこだわりが感じられます。
「あなたでなければ、ここでなければ、いまでなければ」
これは一級建築設計事務所「ブルースタジオ」の専務取締役、クリエイティブディレクターの大島芳彦さんの言葉です。
この考えのもと、徹底的にお施主様の話を聴き、デザインの核となるものを探し出すそうです。
そうして生まれた、例えば今回のような「湖水浴」というようなキーワードを空間に散りばめていく……だからこそ満足いく家づくりにつながるのです。
住宅購入の本質的な理由を考える
細かな条件や間取りではなく、まずは軸を明確にしていくことが重要です。
「なぜ今購入したいと思っているのだろう」「今の家を引っ越さないといけない本質的な理由はなんだろう」
軸が決まれば、物件選び、業者さん選びもよりスムーズになります。ブルースタジオさんのように軸から作り上げてくれる会社は少ないですが、だからこそこれだけの価値が生まれるのです。
参考:リノベーション協議会
全4回にわたって、リノベーションオブザイヤー2021ノミネート作品から注目の事例をピックアップしてご紹介いたしましたが、いかがだったでしょうか。
今回ピックアップした事例以外にも、まだまだたくさんのノミネート作品があります!
個性的であっと驚く事例、今すぐ真似したい事例がたくさん掲載されていますので、素敵なマイホームライフの参考にしてみてくださいね♪