ペットクラブのあるマンション、その意義は
2022年10月21日
ペットクラブのあるマンション、その意義は
ほとんどのマンションがペット飼育についてルールを定めています。
管理規約でペット飼育の可否を、使用細則で飼育可能な頭数や届け出の仕方など細かなルールを定めるのが一般的です。ルールがあることでトラブルを未然に防ぐことができ、トラブルが発生した際の責任の所在も明確になるため、早期のトラブル解決にもつながります。
しかし、ルールとマナーは別物。ルールを定めてもマナー違反やしつけの不徹底、住民の理解不足などの理由で、苦情に発展することも。
管理組合ではペットの状況や飼い主の情報が少ないために状況把握に時間がかかり、早期解決が難しい場合も。
ただでさえ忙しい管理組合の役員が、ペットに関する苦情に十分に対応することは、なかなか難しいのが現状です。
管理規約でルールを定め、ペットクラブでマナー向上を
これらを問題解決する役割を担うのがペットクラブです。
ペットクラブとは、おもに分譲マンションにおいて、ペットの飼い主たちが会員となり運営されている組織です。ペットに関するマナーの向上やペット飼育者同士の交流、苦情の窓口などを担います。100戸以上など、比較的中規模以上のマンションにみられます。
ペットに関する苦情があると、ペット飼育者=悪というイメージを持たれかねません。ペットクラブがあることで、自発的なマナー向上活動を通じて、飼い主全体のマナーのレベルアップが図れます。
そうすることで、ペットを飼育しない居住者とも良好な関係を築き、ペット飼育について理解をしてもらうことにもつながります。
ペットクラブは、ペット飼育者に上記のようなメリットがある一方で、ペットを飼育しない居住者にとってもメリットがあります。ペットクラブの活動により、ルールではカバーできないマナーの向上につながります。もしも音や匂いなどの問題が発生したとしても、苦情窓口が一本化されるため、安心感につながるでしょう。
マナー違反の代表例はフンやおしっこの不始末。フンの片付けは飼い主として当たり前ですが、おしっこはマーキングのため仕方がないことも。ペットクラブは、しつけによって事前に家で排泄してから散歩にいくことや、ペットボトルを持参し、おしっこがかかった場所を洗い流すよう、クラブ会員に徹底させたりします。
このような活動を通して、ペットクラブは居住者から信頼を得ていきます。特別なことではなく、基本的なことを当たり前にしていくのが主な活動内容になります。
例として、犬ならば法律で決まっている自治体への犬の登録を確認したり、狂犬病の予防注射の接種を行い、自治体に届け出をしているかを確認したりするなどです。
これらの基本的な事項を遵守させ、ペットを飼わない居住者でも閲覧できるように情報を整理しておくことで、少なくともマンション内で犬が人を咬む事故が起こったとしても、狂犬病のリスクはないことが分かります。
このような情報の収集と活用がなされれば、ペットクラブへの居住者の信頼は高くなり、トラブルは減っていくと考えられています。