大雨・洪水に強い住宅選び

2020年08月07日

大雨対策

続く未曾有の大雨被害

 

大雨による被害のニュースが後を絶ちません。先月7月3日から九州北部中心に降り続いた大雨は、24、48、72時間降水量が観測史上1位の値を越え、大きな被害をもたらしました。この大雨被害は「令和2年7月豪雨」として、政府により「特定非常災害」に指定されました。

 

特定非常災害とは、「著しく異常かつ甚大な非常災害」とされ、具体的には次の4つの事項を総合的に判断して指定されます。

 

① 死者・行方不明者、負傷者、避難者等の多数発生

② 住宅の倒壊等の多数発生

③ 交通やライフラインの広範囲にわたる途絶

④ 地域全体の日常業務や業務環境の破壊

 

大雨に関わる特定非常災害は、西日本豪雨(2018年)、台風19号(2019年)があり、今回の「令和2年7月豪雨」で3年連続となります。今回は大雨に強い住宅選びをテーマにし、毎年のように発生する大雨被害のリスクを回避する住宅選びについて解説していきます。

 

大雨に強い物件選び3か条

今回は「中古マンション購入を検討されている方」に向けて、大雨被害の被害を抑えるポイントを3つご紹介します。

 

①立地

②建物の構造

③防災意識

 

①   立地:どんな地域に位置しているか 

各市町村が発行しているハザードマップを参考にします。「○○市(区) ハザードマップ」と検索してみましょう。極力被害が少ないエリアを選ぶのはいうまでもなく、避難所との位置関係や避難所のキャパシティも確認しておくのがオススメです。新型コロナウイルスの影響で、「キャパ超え」の避難所がいくつも発生しているためです。

 

② 構造:どんな構造になっているか

2020年、国土交通省と経済産業省は、電気室の被害によるマンションの機能不全を防ぐべく、ガイドラインを策定しました。このガイドラインには、内部に水を浸水させない水密扉や止水板の設置、電気室を上階に配置することなどが盛り込まれました。電気室の位置や、止水板の設置の有無は物件内覧時に確認したいところです。

 

②   防災意識:管理組合や居住者の防災意識の高さ 

管理組合や入居者の防災意識がどうなっているかも重要な判断基準になります。防災意識の高い管理組合は、定期的に避難訓練を行っていたり、土嚢の組み方や発電機の使い方についてレクチャーしていたりする管理組合もあります。いくら止水板や発電機があっても、非常時に使える人がいなければ意味はありません。

 

1週間隔離されても大丈夫な準備を

ウィズコロナの時代、避難所クラスターが起こってもおかしくはありません。避難指示には従いつつも、「極力避難場所にいかなくても生活できる」ことを目指すのも大切です。そのために大切なのは備蓄。大雨により物流が遮断されることも想定されるので、1週間隔離されても暮らせる状態を目指して、備蓄を整えましょう。

 

・非常食(家族の人数分を1週間分)  

・飲料水(1日あたり1人3リットル×人数分を1週間分)

・簡易トイレ(家族の人数分を1週間分)

・懐中電灯  

・携帯ラジオ

・電池  

・手動携帯充電器

・卓上カセットコンロ

・カセットボンベ  

・固形燃料

 

参考文献:長嶋修; さくら事務所. 災害に強い住宅選び (日経プレミアシリーズ)

日経BP 日本経済新聞出版本部. Kindle 版.

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