今こそおさらい!「マイナス金利」とは?
2024年04月12日
今こそおさらい!「マイナス金利」とは?
今回は、先日解除が発表された「マイナス金利」をテーマにお送りします。
マイナス金利が解除されたことで、住宅ローンの金利上昇を心配している声もよく聞かれます。
そこで今回は、そもそもマイナス金利とはどのような仕組みなのか、導入の背景や効果についてまとめました。
今では過去のものとなったマイナス金利ですが、今こそしっかりおさらいしておきましょう。
景気回復のカンフル剤
まず「日銀=日本銀行」とはどのような機関なのか、確認していきましょう。
日本銀行は「日本の中央銀行」です。
日銀は普通の銀行と違い、私たちが預金口座をつくることはできません。中央銀行とは、国の中核を担う金融機関で、物価の安定を図ることを通じて経済の健全な発展を支えることが主な目的です。その目的を果たすために、日銀は3つの役割をもっています。
役割1.発券銀行(お札などの発行)
役割2.政府の銀行(国税等の受け入れや年金の取り扱い、国債の発行)
役割3.銀行の銀行(民間の金融機関からの預金受け払い)
役割3にあるように、日銀は民間の銀行から預金の一部を預かります。
なぜ預かるのか、それは一定額を預けることが義務化(準備預金制度)されているからです。
民間の銀行が日銀に預金を預けると普通なら利子がつきますが、マイナス金利はこの利子がマイナスとなります(▲0.1%)つまり手数料を払ってお金を預けているような状態なのです。
民間銀行は、日銀に一定額のお金を預けて手数料を支払うぐらいなら、たとえ低金利でもお金を貸し出した方が利益になります。よって個人なら住宅ローン、企業なら設備投資などの融資が受けやすくなり、消費や投資の促進が期待されます。
2016年1月に導入されたマイナス金利政策は、停滞した日本経済を活性化させるためのカンフル剤だったのです。
金利なき世界の副作用
参考:住宅金融支援機構
その結果として「金利のない世界」がやってきました。変動金利は低下を続け、2024年3月時点でも変動金利0.2%台の銀行もあります(ちなみにバブル期は7%台に上ったことも)
その結果、変動金利を借りる人が増加し、2022年10月から2023年3月の間で住宅ローンを借りた利用者の7割が変動金利を選びました。
マイナス金利の導入により、住宅ローンの金利が低下するなど住宅購入者には金利負担が軽減されるなどの恩恵がありました。しかしその一方で、良いことばかりではありませんでした。短期金利に的を絞ってマイナス金利を導入したものの、長期金利までもが低下してしまい、銀行の収益悪化につながってしまう副作用も出ました。
そのような事態を改善するために導入されたのが「イールドカーブコントロール」です。
イールドカーブコントロールとはどのような仕組みなのか?次回の記事でお伝えしていきます。
まとめ
・2016年1月、景気回復のカンフル剤としてマイナス金利が導入された
・マイナス金利とは、民間銀行が日銀に預金を預ける際に、金利がマイナスになること
・超低金利で住購入者には恩恵があったが、一方で銀行収益悪化等の副作用もあった
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