LGBTQと住宅ローン

2021年05月14日

LGBTQ

「私たち、ローン組めますか?」

目の前に座っているのは、30代女性同士のカップル。今は別々に住んでいるが、一生を共にするとお互い合意しており、同居したい。賃貸ではなく、自分たちの家を持ちたい。しかし、同性カップルはそもそも住宅ローンが組めるのか心配。

 

性的マイノリティである二人がマイホーム購入にあたって、何がハードルになり、どうクリアしていけばいいのでしょうか。

 

まず、ペアローンの壁があります。ヒアリングしていくと、希望借入額のためには一人分の収入では足りなく、二人の収入を合算する必要があるということが分かりました。収入を合算して組むためには、「入籍」が条件になります。

 

同性カップルは入籍ができるのか。日本において、法的な婚姻関係になれるのでしょうか。

 

 

LGBTQ向け住宅ローン

2005年に渋谷区と世田谷区で取り入れられ、全国に広がるパートナーシップ制度。戸籍上は同性であるカップルに対して、地方自治体が婚姻と同等のパートナーシップであることを承認する制度のことをいいます。一見すると同性婚を認めるようにみえますが、パートナーシップ制度には法的拘束力はなく、法的に婚姻関係が認められる訳ではありません。

 

では、いまの日本で法的に婚姻関係になれない同性カップルは、ペアローンを組めないのでしょうか。そんなことはありません。近年、LGBTQ向けの住宅ローンが拡充されつつあります。

 

例えば、三井住友銀行は同性パートナー向け住宅ローンの取り扱いを2020年2月から開始。住宅ローンの借入における配偶者の定義に、「事実婚」「同性パートナー」を加えています。LGBTQの社員に向けても働きやすい環境づくりをするために福利厚生を改定するなど、積極的に理解する姿勢があります。

 

LGBTQ向けの住宅ローンを利用するためには、いくつか必要になる書類があります。金融機関によっても必要な書類が異なりますが、代表的なものを挙げます。「任意後見契約公正証書」と「合意契約公正証書」、そして「パートナーシップ証明書」です。これらは役所などの公的機関で取得することができます。

 

出所:渋谷区パートナーシップ証明 任意後見契約・合意契約公正証書 作成の手引き

 

 

資金計画の基本をおさえる

借りることにハードルがあるがゆえ、「どうやったら資金を借りることができるか」という情報が注目されがちです。しかし、それよりも「どうやって資金を返済していくか」を考えることの方が重要です。LGBTQか否かに関係なく、資金計画の基本は変わりません。

 

自分たちの最適な資金計画は何か。無理の無い資金計画を立てることから始めてみてはいかがでしょうか。

 

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