ル・コルビュジエの休暇小屋

2022年08月26日

ル・コルビュジエ01

ル・コルビュジエの休暇小屋

 

世界遺産に登録された「小屋」があるのはご存じでしょうか。

 

ル・コルビュジエが南フランスのカップ・マルタンに設けた小屋「カップ・マルタンの休暇小屋」通称“キャバノン”と呼ばれています。

 

コルビュジエが最期の時を過ごした場所でもあるこの小屋は、現代に生きる私たちにも大切なことを教えてくれます。

 

今回はキャバノンの魅力を紐解いていきます。

 

 

ル・コルビュジエは、ドイツのミース・ファン・デル・ローエ、アメリカのフランク・ロイド・ライトと並ぶ近代建築の三大巨匠のひとりです。石やレンガを積み上げてつくる建物が主流だった時代に、鉄筋コンクリートという新しい素材を得て、多様で革新的な建築を生みだしました。

 

日本では、上野にある国立西洋美術館を建築したことで有名です。

 

 

偉大な建築家がつくった小屋の魅力とは

ル・コルビュジエ02

参照元:コルビュジエの休暇小屋 簡素極小、人間本来の暮らし

 

地中海の青い海と空

日光が少ないスイスの山育ちだったコルビュジエにとって、日光が溢れる地中海は憧れの地でした。南フランスにある美しい海岸線、コート・ダジュールのカップ・マルタンという小さな村にキャバノンはあります。

 

コート・ダジュールの中でもパリに次ぐ第2の観光都市ニースや、映画祭で有名なカンヌとも異なり、素朴な雰囲気が漂う場所です。

 

狭いけど機能的

広さは8畳ほどのワンルーム。決して広いとはいえない休暇小屋は、人体の寸法と黄金比をベースにして作った基準寸法、モデュロールが当てはめられています。

 

例えば、天井高の226センチは身長182.9センチの大人が立って手を上に伸ばしたときの寸法です。設備の寸法、家具の配置にいたるまで緻密に計算されています。

 

だから、狭くても機能的に使えるのです。

 

質素だけど豊か

キャバノンの外壁は丸太の背面貼り、内部はベニヤを使用するなど、高価な素材を使わずして豊かさを感じる空間をつくりあげています。周辺にある豊かな自然との調和、暮らしの流れに沿った家具配置など、細やかな配慮がうかがえます。

 

コルビュジエはこの小屋を妻イヴォンヌのために建てたといいます。奥様への愛情がたっぷり詰まった小屋なのです。

 

 

家は生活の宝石箱

ル・コルビュジエ03

参照元:コルビュジエの休暇小屋 簡素極小、人間本来の暮らし

 

キャバノンをひも解いていって驚いたのは、「ない」ものづくしだということです。

 

・いわゆるブランドエリア、有名な観光地では「ない」

・広く「ない」

・高価な素材を使って「ない」

 

偉大な建築家コルビュジエはここに通いつめ、最期のときを過ごし、お墓までつくり、今もキャバノンの近くで眠っています。そして2016年には世界遺産に認定されました。

 

有名な場所でなくとも自分たちが気に入った場所で、広くなくても高価な素材を使わなくとも工夫次第で豊かな暮らしはできることを証明してくれているのです。

 

コルビュジエはこんな言葉を残しています。

 

“家は生活の宝石箱でなければならない”

 

まさにキャバノンはこの言葉を体現したものではないでしょうか。

 

そしてそれを実現するのに大切なのは、お金よりも工夫だということを教えてくれます。

 

 

炎のある暮らし

炎のある暮らし

プロ御用達!コンテナ収納の魅力

コンテナ01

お酒好き必見!ホームバーのある暮らし

ホームバーのある暮らし01