住宅ローン「団体信用生命保険」の基礎知識

2020年11月06日

団体信用生命保険

団体信用生命保険とは

今回は団体信用生命保険をテーマにお送りします。※以下団信(だんしん)と略。団信とは、住宅ローンの返済中に万が一のことがあった場合、保険金により残りの住宅ローンが弁済される保障制度です。多くの民間ローンでは加入が必須になっていますので、住宅購入を考えている人にとっては知っておくべき知識です。基礎知識をまとめて解説していきます。

 

団信で守る家族の安心

団信の目的は一言でいえば、「万が一に備えるため」です。団信とは、住宅ローン契約者が死亡・高度障害状態になったときに、残りのローンを肩代わりしてくれるローン専用の生命保険。保険金によって住宅ローンの残債務が弁済されるため、残されたご家族に住宅ローンを残さず、マイホームは残してあげることができるのです。

 

団信は、民間ローンを使う場合にほとんどが加入必須となります。※「フラット35」は任意。そのため、持病や数年以内に入院歴があると与信はクリアしても健康状態で団信が通らない≒住宅ローンを使えない状況がありますので注意が必要です。健康状態に不安がある方は早い段階で相談し、対策を練ることが大切です。

 

最近では、団信のバリエーションも増えてきています。三大疾病特約付団信は、ローン契約者が死亡・高度障害状態になったときに加えて、「三大疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞)で所定の状態」になったときにも、残された住宅ローンが完済される仕組みです。通常の金利に、数%上乗せする必要がありますが、合わせて検討したい商品です。

 

難病と闘う父が残したもの

筆者の知人も団信に助けられたひとりです。知人のお父さんは難病であるALSに罹患。数年前に他界されました。知人曰く、団信に入ってなければ今頃経済的にとても大変だったと語っています。もしも団信に加入していなかったら、家族の手には住宅ローンという大きな借金が残ってしまっています。

 

家族に住宅ローンを払い続けていく経済的な余裕がなければ、せっかく苦労して購入したマイホームを手放し、そのお金をもとに借金を返済していくことになるかもしれません。そのような事態を避けるための保険が団信です。団信を使って住宅ローンを組むことは、万一のときに家族に安心して住める住まいを残してあげることでもあるのです。

 

長期的なライフプランを

団信の費用は金利に含まれていることが一般的ですので、賃貸と比較した場合に、家族に家を残せるというメリットがあります。ただし、40歳を過ぎると病気になるリスクが高まったり、三大疾病特約付団信に加入しにくくなったりするなど、制約が出てくる場合も。住宅購入を検討されている方は是非早めの相談をオススメします。

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