オフィス化する住まい
2020年06月26日
テレワークが増えています。LINEリサーチによると、2020年4月16日時点でIT企業の約7割がテレワークに対応しているそうです。Twitter社は、テレワークを希望する社員に対して、永久に自宅勤務可能とする考えを示しました。仕事をするためにオフィスに行くという常識が崩れつつあります。
テレワーク推進の大きな流れは続くとみられます。これにより、住まいにはどんな変化が起きるのか。これこそが今回のテーマ「オフィス化する住まい」です。住まいに「働く場所」としての機能が求められるのは当然の流れといえます。自宅での快適な仕事環境をいかに整えるかは今後の大きなテーマになるでしょう。
ほとんどの人がオフィスで集中できていない
自宅にワークスペースを整えることで、生産性の高い仕事ができます。作業スペースが十分に確保されたデスク、快適な椅子、オンラインミーティングの際に差し支えないある程度プライバシーの確保された場所。これらがあるかないかで、仕事の生産性に明暗が分かれます。一方でオフィスなら生産性が高いかというとそうでもないようです。
大手メガネブランドJINSの調査によると、会社員の95%がオフィスで集中できていないという衝撃的な事実がわかりました。集中力を阻害する要因は主に「スマホ」と「雑談」。平均的に11分間に1回は話しかけられるか、確認しなくてはいけないメールやチャットが入るのに対して、人は何かに集中するまでに23分間もかかるため、集中力が続きにくいのです。
オフィスと自宅を使い分ける
かといって、テレワーク至上主義で「オフィスは悪」と考えるのは行き過ぎです。全ての雑談をシャットアウトしてはコミュニケーションが希薄になり、長期的にみれば良い影響を及ぼさないでしょう。オフィスは「アイデアを広げる」場所、自宅は集中して「アイデアをたたむ場所」として、業務によって使い分けをすることが大切になります。
「コミュニケーション」と「集中」は相反するようですが、両方大事な要素です。現代のオフィスではコミュニケーションは取りやすいですが、集中はしにくいことは前述の通りです。ならば、集中できる仕事環境を自宅に持つことで、あなたの生産性はより高くなる可能性があります。
家に合わせるのではなく、ライフスタイルに家を合わせる
今までの日本の住まい事情は、画一的な住宅が大量供給されていたため、「住まいに合わせて暮らす」が当たり前でした。しかし、ライフスタイルが多様化し、今回のように働き方が大きく変わろうとしている現代では、「暮らしに合わせて住まいをつくり、アップデートし続ける」というアプローチも増えていくのではないでしょうか。
このような考えの方たちが10年程前から選んでいる選択肢が「中古×リノベーション」です。好立地の物件を手ごろな価格で手に入れて、中身は自分の暮らしに合わせてつくりかえる。リノベーションを、生産性の高い仕事をするための手段として、一つの選択肢にいれてみてはいかがでしょうか。