不動産購入前にハザードマップの確認は必須

2020年09月11日

ハザードマップトップ画像

人口の3割が浸水想定区域に住む

 

今回はハザードマップを取り上げます。まだハザードマップを見たことないという方は、是非この機会にご覧ください。実は、日本の人口の3割が浸水想定区域に住んでいるという衝撃の事実。近年頻発する大雨被害によって、多くの方が命を落とし、大切な住まいを失っています。それを防ぐために私たちにできることは、ハザードマップを見ることです。

 

静岡県では1974年に起きた「七夕豪雨」が基準

 

静岡市のハザードマップを例にみてみましょう。「静岡市洪水・土砂災害ハザードマップ」は安部川・藁科川が大雨によって増水し、堤防が決壊した場合に被害が想定される浸水箇所や避難所などを地図に示したものです。大雨によって堤防が決壊する?あまり現実味が無いと感じるかもしれません。どれくらいの雨が降れば危険なのでしょうか。

 

静岡県の過去最大の大雨被害として、1974年に発生した「七夕豪雨」があります。そのときの1時間の雨量は84.5mm。半日間(12時間)で508ミリという記録的な豪雨となりました。これをうけて、現在のハザードマップでは、安部川・藁科川流域に12時間で511mm程度の大雨を氾濫するひとつの基準として挙げています。

 

毎年やってくる「未曾有の」豪雨被害

 

ハザードマップ画像2

 

参考:令和2年7月豪雨の被害の様子

写真:ウェザーニュース

 

1時間に80mm、12時間で500mmが目安。これくらいの規模の大雨は果たして起きうるものなのか。まだ記憶に新しい直近3年の豪雨被害を例にみていきましょう。

 

■2018年 平成30年7月豪雨(西日本豪雨)

これまでの豪雨の事例に比べ、広い地域で2日間あるいは3日間の雨量が多いのが特徴で、西日本から東海地方にかけての地域を中心に、多くの地点で48時間、72時間雨量の観測史上最大値を更新しました。14地点で期間内の雨量が500mm以上を記録し、床上浸水6982棟、床下浸水2万1637棟と甚大な被害をもたらしました。

 

■2019年 令和元年東日本台風(台風19号)

10月12日に日本に上陸した台風19号は大きな洪水被害をもたらしました。6つの地点で1時間雨量80mm以上を記録し、阿武隈川をはじめ、多くの河川が氾濫。浸水面積は2018年の西日本豪雨を超えました。

 

■2020年 令和2年7月豪雨

7月3日から7月31日にかけて、熊本県を中心に九州や中部地方など日本各地で発生した集中豪雨。鹿児島県鹿屋市鹿屋では1時間雨量が109.5mmを記録し、1977年の統計開始以降最大の雨量となりました。

 

このように、3年連続でこれらの雨量を記録していることから、七夕豪雨を超えるような大雨は決して珍しいことではないのです。いつ起きてもおかしくない状態といえます。

※参照https://www.7mate.jp/saigai/

 

 

ハザードマップの説明義務化へ

 

頻発する豪雨被害をうけて、ハザードマップの説明が義務化されました。2020年8月28日から、不動産売買時には必ずハザードマップの説明をしなければいけない、受けなければいけなくなりました。住み替えを考えている方は今からでもハザードマップに目を通しておきましょう。「(お住まいの地域)ハザードマップ」で検索すれば、情報が出てきます。

 

参考:静岡市洪水ハザードマップ

https://www.city.shizuoka.lg.jp/000_001517.html

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