住まいと暮らしの現状把握をしよう

2020年07月22日

現状把握

現在地を正確に把握する

 

月末、通信制限がかかった携帯電話のナビ。現在地を読み込めなくて、目的地は分かっているのにどちらに進めばいいのか分からない、勘を頼りに進むと逆方向だった。こんな経験をされた方は少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。「現在地が分からなければ、目的地に到着しない」これは住宅購入にも当てはまります。

 

今回のテーマは、住宅購入を検討し始めたらまずやるべき「現状把握」について。現状把握とは、今どんな住まいでどんな暮らしをしているかを洗い出した上で、何が気に入っていて、何が不満なのかを自分自身の言葉で表してみることです。そして何をきっかけに住宅購入を検討し始めたのかを振り返ることです。

「定量」と「定性」で現状把握を

現状を正確に把握することのメリットは、理想を描きやすくなることです。いきなり理想から始めてしまうと、非現実的な理想を描いてしまう可能性も。現状把握のあとに、理想を描く、この順番が大切です。理想の暮らしと現状の暮らしにはどんなギャップがあるか明確になると優先順位をつけやすくなり、広さ、エリアなどの条件を決める時にも役立ちます。

 

現状把握は、「定量」と「定性」、二つの視点で考えます。定量とは数字に表せること。広さや間取り、築年数や家賃などです。定性は数字には表わせられない、主に「どう感じるか」「それはなぜか」を指します。まずは定量的に、できるだけ正確に今の暮らしと住まいを把握し、次に定性的な情報を加えていきます。

見ると観るの違い

「実家の階段が何段あるか」少し意地悪な質問ですが、答えられますか。毎日見ているものでも、正確に把握できていないことがほとんど。人は物事を歪曲・省略・一般化してみる傾向があり、事実よりも、自分が見たいようにしか見られていないことが常です。正確な現状把握ができていなければ、そこから描く理想もどこかズレたものになりがちです。

 

例えば、私の担当させて頂いたお客様でこんな例があります。とにかく服の量が多く、広々したW.I.Cを希望されていました。普通なら広いW.I.Cをご提案するところですが、まずは一緒に現状把握。そうすると服の大半はもうこれから着ることがないものだと分かり、断捨離を決意。同時に1枚捨ててから1枚買うというルールも作られました。結果的にスペースを必要とするウォークインクローゼットではなく、コンパクトなクローゼットへと方向転換。80㎡以上を希望されていましたが、最終的には60㎡台を購入。当初の予算よりも安く、希望よりも駅近の物件を購入され、満足した暮らしを送っています。

自ら気づくことが大切

 

この方のように、現状把握により自分で「気づく」という体験が重要です。何をどれくらい持っていて、何が不満なのか。なぜそう感じるのか。それを書き出してみるだけで、この方のように当初の予算よりも安く抑えられることだってあるかもしれません。大切なのは不動産営業マンから「説得」されて買うのではなく、自ら気づき、「納得」して買うことです。

 

現状把握は住宅購入の第一歩です。携帯のメモ機能やノートを使って、現状把握したことを記録しておきましょう。毎日5分、1週間観察を続けるだけでもたくさんのことに気づくはずです。レコーディングダイエットと同じで、記録するだけで得られるものは大きいのです。

 

本当の理想の描き方

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