賃貸か購入かよりも大切なこと
2020年07月10日
賃貸か購入かは不毛な議論!?
このまま賃貸のまま住み続けるのか、それとも今購入する方がいいのか。多くの人が頭を悩ませる問題です。インターネットで検索すれば、「賃貸か購入か」に関する記事はたくさんの情報が出てきます。情報がたくさんあるのに、自分にとっての正解が分からないという方、多いのではないでしょうか。
数ある情報の中から、自分にピッタリな情報を見つけるにはどうしたらいいのか。これが今回のテーマです。賃貸も購入も手段。では家を買う目的は何でしょうか。どちらの手段にするかを考える前にすべきことは、目的を固めること。つまり、「あなたはどんな暮らしが理想ですか?」に自分なりの答えを持つことです。
暮らしに合わせて住まいをつくる
自分なりの理想の暮らしが固まれば、どれだけインターネット上を探しても見つからなかった賃貸か購入かの問いに答えが出せるようになります。目的が不在で手段だけが議論されていたのでは、いつまでたっても納得できる答えが見つからないのは当然のこと。まずは目的をはっきりさせることで、より良い手段を選択できます。
少し目を世界に向けてみると、幸福度ランキングで常に上位にランクインするデンマークでは、暮らしに合わせて住まいをカスタマイズしていくのが当たり前のように行われています。旅の思い出の写真を壁一面に飾ったり、コーヒータイムをゆったり過ごすために照明や家具を工夫したり。住まいは彼らにとって自己表現の手段のひとつです。
精神的豊かさを求める時代
戦後の日本は人口が急増し、経済成長する中で、家が足りない状態でした。物質的な豊かさを求められる時代では、所有すること自体が直接幸福に繋がります。しかし現在、人口減少に転じた日本は家が余っている状態。所有するだけでは幸福は感じなく、多くの人は精神的豊かさを求めます。もはや「家を買うのがゴール」という考えはマッチしません。
コロナ以降、テレワークの普及により多様な働き方が可能になりました。筆者の知人も、東京の会社に勤めながらも、地元の名古屋で中古マンションを買い、テレワーク仕様にリノベーションするプランのまっただ中。多様な働き方は多様な暮らしを生みます。デンマークのように、住まいが自己表現の手段となる日も近くなっているのではないでしょうか。
紙に書き出してみる
こんな時代だからこそ、購入か賃貸か、手段論で迷うのではなく、思いきり自分の理想を描いてみることが大事です。賃貸か購入かは、そのあと考えても遅くはありません。暮らしが主、住まいは従。今はリノベーションという手段も広がりつつあり、自分の暮らしに合わせて自分らしく住まいをつくることが可能な時代です。
そのために、まずはそもそも理想の暮らしってなんだ?ということを突き詰めて考えみてはいかがでしょうか。少しインターネットの情報から離れて、どんな暮らしをしたいか紙に書き出してみましょう。綺麗に書く必要はありません。理想の暮らしについて考えを巡らせ、手を動かしているうちに理想の暮らしが見つかるはずです。