IT重説~非対面で重要事項説明が可能に~

2021年10月15日

IT重説~非対面で重要事項説明が可能に~

IT重説はじまる~「非対面」で重要事項説明が可能に~

IT重説とは、テレビ会議などのITツールを使って行う重要事項説明のことです。これまで、宅地建物取引士が対面で説明を行うことが義務付けられおり、「賃貸」では2017年からIT重説が可能となっていましたが、「売買」でも社会実験を経て2021年4月からIT重説が可能になりました。

 

重要事項説明とは、買うかどうかの判断をするための重要な情報の説明のことをいいます。重要事項説明は必ず契約前に、宅地建物取引士が行うことが義務づけられています。説明内容例としては、正確な部屋の面積や権利関係、マンションの場合ならお部屋で人が事件や事故などで亡くなっていないか、修繕積立金はどれくらい貯まっているかなどです。

 

IT重説のメリットは、取引がしやすくなることです。お仕事でお客様とオンライン会議をするようになった方はそれをイメージして頂ければ分かりやすいのではないでしょうか。例えば、今は大阪に住んでいる場合で、転勤を機に静岡に家を買うような場合、重要事項説明を受けるためにわざわざ県をまたいで不動産会社等に出向く必要がなくなります。

 

デメリットはIT環境の整備でしょう。国土交通省によると、社会実験中の問題発生率は約10%。うち4割が「一時的なケースも含めて音声が聞こえなくなった」とのこと。これもオンライン会議等で経験したことがある方も多いのではないでしょうか。文字通り重要な事項の説明を受けるので、安定したIT環境の整備は必須となります。

 

IT重説4つの要件

IT重説を行うためには4つの要件があります。

 

要件①IT環境の整備

音声が十分に聞き取れるか、図面などの書面の内容が理解できる程度に映像が認識できるか、双方向で問題なくコミュニケーションがとれるか等を確認します。

 

要件②書面の事前送付

IT重説は、重要事項説明書を実際に見ながら受ける必要があります。そのため、重要事項説明書等は「事前に」不動産会社から送付されます。

 

要件③環境・書面の準備確認

IT重説をはじめる前には、映像や音声の状態が問題ないかの確認が必要です。合わせて、宅地建物取引士により記名押印された重要事項説明書が手元にあるかどうか確認します。

 

要件④宅建士証の提示

宅地建物取引士が、画面上で宅地建物取引士証を提示します。説明を受ける人が画面上で確認できたことを確認した上で、重要事項説明がスタートします。

 

今回はIT重説について解説していきました。コロナ禍であらゆる業界で進むDX(デジタルトランスフォーメーション※1)。不動産業界のDX例のひとつがIT重説です。しかし、契約書はまだ紙で、ハンコが必要ということもあり、アナログな業界であることに変わりはありません。不動産業界のデジタル推進はどうなるのか。今後の伸びしろに期待したいところです。

 

※1 進化したIT技術を浸透させることで、人々の生活をより良いものへと変革させるという概念

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