失われた500兆円問題
2020年09月25日
失われた日本庭園
とあるラジオ番組で、印象に残った話を耳にしました。メインMCのピーターバラカンさんがゲストにスウェーデン生まれの庭師の村雨さんをお招きしたときの会話です。日本庭園の需要は少なくなってきているようで、ピーターバラカンさんの自宅の前にあった美しい日本庭園もついには取り壊されて新築の建売住宅が建ってしまったという内容でした。
これをただのセンチメンタリズムで片付けていいものか、このような光景はよく見かけます。まだ使える美しいものが取り壊され、新しいものへ。これらを住宅の世界ではスクラップアンドビルドといいます。この悪しき習慣が一因で、日本はなんと500兆円もの資産が消えたとされています。今回取り上げるのはこの「消えた500兆円問題」です。
日本が抱える500兆円問題
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」オットー・フォン・ビスマルク
これから家を買おうとしている私たちがこの問題に目を向けることで、何を得るのでしょうか。問題の本質に目を向けることで、イメージに流されない、確かな選択ができるようになるのではないかと考えます。
なぜこれをお伝えするかというと、イメージに流されて損をしてほしくないからです。500兆円というと、ほぼ日本のGDPと同等。日本人が汗水たらして稼いだ1年分の年収に値する資産が消えてしまったらどう感じるでしょうか。これは実際に起きている事実。ビスマルクのように、歴史から学び、同じ失敗を繰り返さないようにしなければいけません。
日本に根付く新築神話
参考:国土交通省
平成25年の国土交通省の資料によると、2011年時点で862.1兆円分の住宅投資をしたのにも関わらず、住宅資産額の累計は343.8兆円です。その差は518.3兆円です。
参考:国土交通省
一方で、アメリカでは投資額と住宅資産額にほぼ差がありません。日本では不動産が買った額の半分くらいにしかならないのに対して、アメリカでは買った額とほぼ同等で売れることを意味します。
なぜこのような差が生まれてくるのでしょうか。ひとつはグラフに記載の通り、資産の評価方法の違いがあります。もう一つは中古流通比率の違いです。
出典:HOME’S
日本は中古を選ぶ人の割合が14.7%に対し、アメリカでは83.1%。つまり、日本とアメリカでは新築と中古の比率が正反対なのです。新築が当たり前の国日本と、中古で買うのが当たり前のアメリカ。資産という面で得をしているのはアメリカであることは明白です。
「中古物件」を現実的な選択肢へ
日本では、中古住宅にまだまだ抵抗を感じる人が少なくありません。なんとなくのイメージで、中古を避ける人も多いのが事実です。しかし、一歩引いてみて世界から日本の住宅市場を見てみるととても特異なことがわかります。
失われた500兆円。人口減少に転じ、空き家が増え続け、更に景気の先ゆき不安がある中で、同じことを繰り返していて良いのでしょうか。家を買うことは人生の中でも最も大きな買い物。歴史に学び、事実を正しく認識した上で、判断していくことで、かしこい住宅購入に繋がるでしょう。
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