分譲マンションの重要事項調査報告書とは?

2020年05月01日

重要事項調査報告書①

「中古マンションは管理を買え」と言われます。管理の良し悪しでマンションの寿命や価値に大きく影響するからです。

 

今回のテーマは管理の良し悪しを判断するための重要書類、「重要事項調査報告書」について解説していきます。

「見た目はイケメン、中身はダメな」物件をひかないために

重要事項調査報告書を見ることで、そのマンションの管理状況がわかります。外観や立地はよくても、管理が悪いマンションは意外にあるものです。ここでいう管理が悪いとは、下記のような状態を指します。

 

・計画通り修繕が進んでいない

・そもそも修繕の計画がない

・修繕のためのお金が全然貯められていない

・計画的ではない借金がある

 

これらは重要事項調査報告書を見ることである程度判断できます。

 

余談ですが、私が見た中で修繕積立金の総額の最高額は約6億円でした。築40年を超えていましたが、外壁は綺麗にメンテナンスされ、窓は全部ペアガラス、防犯対策もバッチリでした。かたや借入をしていて、修繕積立金がマイナスになっていて、外観もかなり老築化が目出つようなマンションもいくつかみてきました。

 

あなたは6億円貯まっているマンションと、貯金がなく借金しているマンション、どちらを買いたいですか。多くの方が長期のローンを組んで買います。長く付き合うにあたって管理はとても大事な要素なのです。そこを確認せずに買ってしまい、後から後悔する人が増えています。正しく理解して、損しないお買い物をしましょう。

重要事項調査報告書はマンションの健康診断書

中古マンションは管理状態によって寿命が大きく変わります。国土交通省の研究例によると、鉄筋コンクリート造のマンションの寿命は推定117年。一方で適正な管理が行われなかった場合は65年という指摘もあります。重要事項調査報告書には、管理に関わる下記の項目が記されています。

 

・調査依頼日

・対象となる物件名や部屋番号、所在地、建築年次

・修繕積立金総額

・管理費、修繕積立金の月額

・管理費、修繕積立金の滞納額(マンション全体と対象となる部屋について)

・管理費、修繕積立金の改定予定

・管理組合の借入金の有無

・修繕工事履歴

・管理形態

・大規模修繕改修工事に関する予定

・アスベストや耐震診断の有無など

 

それぞれの項目についての詳細はまた別の記事で詳しく解説します。まずは重要事項調査報告書を確認し、不動産営業マンもしくはインスペクターなどの第三者にアドバイスを仰ぐのが大切です。

 

重要事項調査報告書を見ずして買付を入れてはダメ

重要事項調査報告書を確認するタイミングは必ず「買付前」にしてください。買付とは、購入意思表示をするための書面を書き、売主に渡すことをいいます。不動産営業マンによっては、買付前に重要事項調査報告書を説明しない人もいます。もしあなたが、失敗したくないのなら「買付前」に説明してもらってください。

 

なぜなら買付を入れると、次は売買契約だからです。この時点で管理状態について説明を受けても、もし気になるところがあった場合、キャンセルできるでしょうか。雰囲気に流されて契約してしまうかもしれません。これを避けるために、くどいようですが、買付の前に確認をしてください。

内覧時に重要事項調査報告書を見せてもらおう

物件は何を買うかも大切ですが、誰から買うかも大切です。アイワ不動産では、経験豊富なスタッフが中古マンションの管理状態も丁寧にご説明いたします。中古マンション購入をご検討の際には、是非お気軽に管理のこともご相談ください。